終末期の患者の中には、ネガティブになってしまう方もいますが、何かのきっかけによってポジティブになり、生きる希望を見いだす方もいます。
そのきっかけの1つに、入浴という行為があるようです。
入浴は、身を清潔に保つ効果があるのと同時に、リラックス効果が期待できます。
また、普段動かしていない筋肉が温まることによって、運動をした時と同じような効果が期待でき、患者のリハビリにもなります。
こうした効果が、患者の気持ちを前向きにし、生きる希望を与えるきっかけとなっているようです。
しかし、訪問入浴は、リラックス効果を生む反面、終末期の患者にとっては疲労を伴う身体的に負担のかかる作業でもあります。
患者の容態を悪化させてしまう可能性もあるので、注意しなければなりません。
風呂を楽しみにしている終末期の患者にとっては、看取りまでの間1度でも多く入浴したいと感じる方も多いことでしょう。
看護師は、その希望にそえるように、患者の家族や医師、患者の容態と相談しながら訪問入浴の是非や入浴時間、内容などを検討していくことになります。
患者やその家族とのやりとりから、密なコミュニケーションを取ることができるのは、訪問入浴を行う看護師のやりがいの1つと言えることでしょう。
他の病棟勤務の看護師の場合、1人1人の患者にそこまで掛かりきりになるというのは、難しいかもしれません。
更に、訪問入浴での看護師のやりがいと言えば、直接利用者の喜ぶ顔や感謝の言葉を聞くことができることでしょう。
終末期の患者から人生の最期に感謝された時は、特にやりがいを感じるかもしれません。